商業登記とは、会社に関する登記すべき事項を公示(登記)する手続きです。
すなわち、商業登記は、法律的に人と同じように権利義務を保有する主体として、ここに会社が存在するということの公示方法です。
例えば会社を設立する際には、本店・商号・目的・資本金・役員・発起人等を定めて会社設立登記を行います。
その後、会社を経営していく中で、本店を移動させ、取締役(役員)や会社名(商号)等が変更することもあります。
そして会社設立時に取り決めたルールに変更事項が発生した場合、商業登記の変更の手続きを司法書士等がする必要があります。
また、取引先や第三者からすると、あなたの会社の商業登記の変更後の登記簿を調べることで、この会社は、『いつ設立されたのか』『現在の代表者は誰か』『資本金はいくらか』等の情報がわかり、安心して取引がしやすくなります。
会社の定款その他役員等に変更が生じた場合は、遅滞なく(原則として2週間以内)商業登記の申請をしなくてはなりません。登記の申請をしない限り、勝手に登記簿が変わる事はありませんので、公示内容は旧体制のままということになります。
商業登記を怠っていると登記懈怠として、過料(100万円以下)に課せられることもありますのでご注意下さい。よって、商業登記は速やかに登記手続きをする必要があります。
取締役・監査役などに変更があった場合、2週間以内に登記手続きをしなければいけません。
※役員変更の内容は主に、役員の辞任・解任・死亡・就任・重任などのことを指します。
資本金が1億円以下 10,000円
資本金が1億円超え 30,000円
※同時に、取締役会及び監査役を廃止する場合、別途30,000円が必要です。
会社の名称=『商号』は、まさに会社の看板です。
また、『会社の目的』は、「何をする会社なのか」を対外的に表明するものです。
そして、経営方針の転換や新規事業展開のため、商号を変更、目的を追加・変更・削除した場合、2週間以内に商号変更・目的変更の登記手続きをしなければいけません。
30,000円
本店の所在地を移転した場合、本店移転の登記が必要になります。なお、本店移転をした場合、2週間以内に本店移転の登記手続きを申請しなければいけません。
また、本店移転の登記は、移転先により登録免許税が変わります。
※『管轄』とは、地域ごとの法務局の管轄区域を指します。管轄区域については、法務局HPをご覧ください。
例えば、今の会社が名古屋市名東区にあり、移転先も同じく名古屋市名東区にある場合です。
30,000円
例えば、現在、名古屋市名東区にある事務所を豊田市に移転するなど、他の法務局管轄区域に本店所在地を移す場合です。
旧本店所在地分 30,000円 (例:名古屋法務局 本局分)
新本店所在地分 30,000円 (例:名古屋法務局 豊田支局分)
合計 60,000円
資本金は、会社の規模や信用をはかるための基準になるものの1つです。ある一定以上の資本金がないと取引関係に入れない、免許を取得できない、という業界も少なくありません。
一般的に、増資の手段としては、新株発行や配当可能利益・法定準備金の資本組入れ、DES(デット・エクイティ・スワップ=債権の株式化)などがあります。そして、もっとも多く用いられるのが、新株発行による増資です。いずれの場合も、会社法に規定された手続きを踏み、登記申請をして会社登記簿に反映させることが必要となります。なお、資本金を増加した場合、2週間以内に増資の変更登記をしなければいけません。
増加する資本金の額×7/1000
(最低30,000円)
会社は、様々な理由によって解散します。一般的なのは、営業不振や所期の目的達成などで、株主総会の特別決議により解散する場合でしょう。その他には、存続期間が満了した場合や合併・破産などによる解散もあります。なお、会社が解散した場合、解散事由の発生した時から2週間以内に「解散」及び「清算人就任」の登記をしなければいけません。
解散後は、残余財産の分配等を行い、清算事務を行います。そして、清算事務が終わった時には、株主総会の承認を得て、清算結了します。
この時点で、会社は法人格を失います(人間で言うところの、死亡に相当します)。
その後、清算人は「清算結了」の登記を行います。
解散分 30,000円
清算人分 9,000円
清算結了 2,000円
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